第28回 田中兆子「残欠」

ちょっとしんどい話を読みました。


◎「残欠」田中兆子(「甘いお菓子は食べません」より)


40代女性の生と性を内臓ごとえぐり出すように綴った連作短編。

アルコール依存症の女性から見えるのは、「欠けた」家族。

それが世界のすべて。ここから抜け出せない、先が見えないという絶望。

腫れ物にさわるように扱われる苛立ち。

本当はわたしはこうなっているはずじゃなかったのにという思い、などがリアルでした。


アルコール依存症でなくても、

こういう心理に陥ったことがある人は多いのでは。


この日参加してくれたのは、20代前半の学生から70代の英語教師まで幅広いメンバー。

主人公の女性に共感する人、夫に共感する人、息子に共感する人。

それぞれの立場からの読み方がありましたが、

みんな心のどこかで「だいじょうぶ、こっち側へおいで」

と語りかける気持ちで読んでいたように思います。


最後の3ページに希望が見えるのが救いです。

次回はもうちょっと楽しい話を読みますね。暗くてごめんなさいでした〜


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メンバーのおすすめ本

・ハイキュー(小説版)

・現代思想/特集:反知性主義

・ココ・アヴァン・シャネル 上―愛とファッションの革命児

・森博嗣

・猫百話/柳瀬 尚紀

・青春を山に賭けて/植村直己

・日本怪奇小説傑作集

・幻想小説神髄

・調理場という戦場「コート・ドール」斉須政雄の仕事論/斉須政雄

・一千一秒物語/稲垣足穂

・偶然のチカラ/植島 啓司


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◎次回の白山夜


6月24日(水)18:30〜


いつものように事前に読んでくる本はありません。

読むスピードに自信のない方も、それぞれのペースに配慮しながら

ゆっくりとスタートしますのでご安心を。

初めての方も毎回3割ぐらいいらっしゃいます。

ご参加お待ちしております!

http://hakusan-yoru.jimdo.com/contact/

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