第41回 三浦しをん「冬の一等星」

年が変わって初めての白山夜。寒い冬の夜に読みたくなる一遍を紹介しました。

 

三浦しをん「冬の一等星」(「きみはポラリス」より)

 

ほんの24ページほどの短い小説ですが、

主人公の大切で忘れられない体験と、その時の感情や意味を大人になって振り返る、

星空をバックに時間軸的にも空間的にもスケールの物語になっています。

 

体験した当時が子どもだからなのか、

なぜそのときそういう行動をとったのか、そう感じたかに理屈はありません。

大人の今の描写も唐突であったり、一人称で語られているため、

一種、謎解きのような作りになっています。

かといって難解というわけではありません。

冒頭の2ページ半を抜けたあたりで一気に引き込まれる感じもダイナミックで、

とても力のある作品です。

 

「きみはポラリス」自体は、恋愛短編小説とラベルされているのですが、

メンバーによっては、「うーむ、これは恋愛だ!」とすぐ思えたり、

「そうか恋愛だったのか...」などがあったり、

読後感もスッキリしたり、しなかったりといろいろな感じがあったようです。

 

読み手によって全く違う印象を持つ作品が、

やはり読書会には向いているなとあらためて思いました。

 

第42回は本日の夜。

お申し込みの皆様、白山の花みちにてお待ちしております。

 

 

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