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2016年

2月

13日

白山夜、クローズのご挨拶

 

この度、諸々の事情により、当クラブをクローズすることとなりました。

2014年3月から始めて約2年。
43の物語の世界を、

参加者の皆さまと共に探究できたことを大変うれしく思っています。

ありがとうございました。

 

またどこかで出会う物語を楽しみに、これからも。

 

2016年2月吉日

 

ブッククラブ白山夜

 

 

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2016年

2月

10日

第43回

第43回  ブッククラブ白山夜を開催しました。

 

はじめる前に、主催者から以下のような提案をさせてもらいました。

 

 どこかで聞いたような耳障りのよい言葉、二番煎じの言葉ではなく、

 整理されていない生の言葉ででも、
 自分の感覚にできるだけ近い言葉を探しながら話してみる。

 

 自分の経験に引き寄せながらも、

 思い込みにとらわれない自由な心をもって、
 物語を味わい、他の人たちの話を聴いてみる。

 

 表現者へ、ものをつくる人たちへ敬意を払い、
 自分は自分の表現をする姿勢で場を共につくる。

 

 そうしたことをこの回では目指そう、と。

 

 

 

それに応えて集まってくれたメンバーたちは、

他のメンバーを信頼し、恐れず、出し惜しみせず、

自分の言葉で表現することにいつも以上に挑戦してくれました。

 

その場にいた誰もが皆、「物語」を愛しているのだけれど、

おそらくは誰も、「趣味:読書」なんて書かないような、

本を読むことは、日常生活で当たり前のことだ、というような人たちです。

 

物語を現実から切り離された絵空事として、表面的に消費者的に楽しんでいるのではなく、

物語の向こうにある深層の世界も、現実の世界も見に行こうとする勇気をもっている。

 

「よい物語」を嗅ぎ分け、読み解き、感じ、考え、自分の人生と関連づける。

そのように物語によって心を、自分の芯を確かなものにしてきた人たちでした。

 

一人ひとりの意欲的な場への関わりによって、

この日の白山夜は、とても楽しく、とても温かな、特別な時間となりました。

 

 

 

メンバーの一人が、こんな感想をくれました。

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懐かしいメンバー、初めましてのメンバーと共に、

一つの物語を中心に語り合う楽しさに心が沸き立ちました。

物語を通して、それぞれの人生の価値観や経験を分かち合い、

思考と感情を言葉にすること、伝え合うことの楽しさと難しさが、

私はやっぱり好きだったんだなと再確認した夜でした。

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この日読んだ本のことは、あえて記録しないことにしました。

あの特別な時間を、本のタイトルも内容も話したことも全部、

あの場にいた人とだけ、共有しておきたい気がしたのです。

 

参加してくれた皆さん、ほんとうにありがとうございました。

 

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2016年

1月

27日

第42回 姫野カオルコ「高柳さん」

前回の「冬の一等星」と"子どもの頃の記憶"の部分で繋がるかな?と思い、選んだのがこちら。

 

姫野カオルコ「高柳さん」(「ちがうもん」より)

 

自分自身の生い立ちや、

どのような家族の元で暮らしてきたかによって、

同じ本を読んでいるのにこうも違う捉え方になるのか!と正直驚きました。

 

白山夜で紹介する本はだいたいそういうものを選んでいますが、

きょうはとりわけ差が出たように思います。

 

ご参加くださった皆さん、ありがとうございました!

 

 

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2016年

1月

13日

第41回 三浦しをん「冬の一等星」

年が変わって初めての白山夜。寒い冬の夜に読みたくなる一遍を紹介しました。

 

三浦しをん「冬の一等星」(「きみはポラリス」より)

 

ほんの24ページほどの短い小説ですが、

主人公の大切で忘れられない体験と、その時の感情や意味を大人になって振り返る、

星空をバックに時間軸的にも空間的にもスケールの物語になっています。

 

体験した当時が子どもだからなのか、

なぜそのときそういう行動をとったのか、そう感じたかに理屈はありません。

大人の今の描写も唐突であったり、一人称で語られているため、

一種、謎解きのような作りになっています。

かといって難解というわけではありません。

冒頭の2ページ半を抜けたあたりで一気に引き込まれる感じもダイナミックで、

とても力のある作品です。

 

「きみはポラリス」自体は、恋愛短編小説とラベルされているのですが、

メンバーによっては、「うーむ、これは恋愛だ!」とすぐ思えたり、

「そうか恋愛だったのか...」などがあったり、

読後感もスッキリしたり、しなかったりといろいろな感じがあったようです。

 

読み手によって全く違う印象を持つ作品が、

やはり読書会には向いているなとあらためて思いました。

 

第42回は本日の夜。

お申し込みの皆様、白山の花みちにてお待ちしております。

 

 

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2015年

12月

12日

2015年の忘年会をしました

根津のHOTEL GRAPHYのカフェにて、2015年の忘年会をしました。

1回参加の方からいつものメンバーまで、10人が集まってくれました。

本を肴に、近況も交えながらわいわいと、いつものように話をしたところで、お楽しみの本の交換会。

 

こんなふうに進めました。

1. くじを引いて、本をリクエストする順番を決めます。

2. カバーをかけて他の人にタイトルがわからないようにして、持ってきた本の一節を朗読します。好きな部分でもパッと開いた部分でも。聞いている人は、その一節のイメージからほしい本を考えておきます。

3. くじの1番の人から順番に本をリクエストしていきます。そして全員一斉にカバーをオープン!本を持ってきた人が、どうしてそれを選んだのかを紹介します。もらった人は、もらってどう思ったかを話します。

 

不思議と「この本、こんな本を読みたかったの!」という本がうまくそれぞれの手元に届きました。

「白山夜に参加している人だから、きっと面白い本を持ってくるにちがいない」

という期待感もはたらいて、交換タイムは大いに盛り上がりました。

 

白山夜でこんなことをやってみたい!というアイデアもたくさんもらったので、

また来年からちょこちょこ入れていきたいと思います。

 

ご参加くださった皆様、ありがとうございました!!


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2015年

12月

10日

第40回・参加のご感想

 

初参加の方がとてもうれしい感想をつぶやいていらしたので、ご紹介します。

(許可をいただいて掲載しています)

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会場で当日渡された本をその場で読んで感想を共有し合うという……!!なんて心躍る趣旨の会でしょう!!

どんな本を読むのか、どんな仲間が来るのか、どんな感想を語り合えるのか、考えただけでドキドキワクワクとてもとても楽しかったです。会場も素敵で、かつての花街に残る料亭だった建物「花みち」で開催でした。古い木造建築にうっとり。たまりません。

課題本は泉鏡花の「外科室」。内田百間、澁澤龍彦、久生十蘭と好きなので、幻想と怪異の泉鏡花は読みたくて未だ読んでいなかった作家の一人でした。この機会に読めて感激。

心、喚起されまくりの一夜でございました☆

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Cさん、ありがとうございました!

 

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2015年

12月

09日

第40回 泉鏡花「外科室」

この会もこつこつ開催してきて、ついに40回を迎えました!

いつもご参加くださったり、サポートしてくださる方々に感謝申し上げます。

振り返ってみると、ほとんど休まずに月に2回開催してきて、

お休みしたのは1回だけでした(それもメンバーに進行をお願いして開催はしました)。

次は2016年の3月の2周年を迎えられるよう、また一回一回を丁寧に重ねていきたいと思います。

 

さて、この日は。

 

泉鏡花「外科室」を読みました。

 

文語体で読みにくいかな?とは思いましたが、

情景描写が丁寧なのでビジュアルが立ち上がりやすいのと、

展開が早いので、大丈夫かな?と思い、挑戦してみました。

 

皆さんからはこんな意見が…

・小編なのにとてもドラマティックな運命的恋愛。

・歌舞伎、文楽などの心中物に通じる世界。なぜか死ななくてはいけない感。

・コントみたいでつい笑ってしまった。

・女の人が怖すぎる!

・実は二人の間にはいろんなことがあったかもしれない、不倫関係があったかも。そこを敢えて書かないのがいい。

・省略された構成が素晴らしい。前半のナレーション部分と後半の会話部分の対比が妙。

・主人公の2人のどちらかの視点で書いていたら、陳腐なものになっていたかも。傍観者の視点で見ていることでドラマが生まれるし、謎も深まる。

・日本語の美しさを再発見!言葉に癒された。

・文豪と言われる人の作品は読んではみたいが、一人だとなかなか手が出ないので、こういう機会があってうれしい。

 もっと他の作品も読んでみたくなる。

 

選者としては、泉鏡花の世界は好きですが、このお話は設定といい展開といい「ありえない!」という感想をもっていました。でももしかしてそこが好きという方がいらっしゃるかも?他のいろんな意見がでるかも?と思い選んでみたのですが、、

やはりいい具合に好き嫌いに分かれましたね!

 

お互いの「なぜ好きか」「なぜ嫌いか」を徹底的に話し合う、これも読書会の醍醐味かなぁと思います。特に「女、男のドロ沼系でやいのやいの言うのは楽しい」という感想を最後にいただき、納得です!

 

泉鏡花は「歌行燈」がおすすめです。2作目はぜひこちらをどうぞ。

 

来年も白山夜をどうぞよろしくお願いします。

 

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次回は2016年1月13日(水)です。

お申し込みはこちらから

 

 

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2015年

11月

25日

第39回 J.D.サリンジャー「バナナフィッシュにうってつけの日」

第39回の白山夜は、同じ建物の1Fにある花みち図書館で行いました。

こちらは絵本専門の私設図書館。

たくさんの絵本に囲まれて、

「あれ好きだった」「あの色合い覚えてる」などなど、懐かしい気分でした。

わたしが寄贈した絵本も棚にありました。

たくさんの本、それぞれの温かい思い出に囲まれて、うれしそうでした。


さて、この日はサリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」を読みました。

全く響かないという人が8割方…。

その人たちに向けて、大好きという人が良さを解説するという展開になりました。

「それを聞くと、たしかになるほど、そう読む人がいるのかー、とは思うけど、やっぱりよくわかんない」とか、

「フランス映画を観に行って、連れの女の子は感涙なのに全く響いてない俺的気分」など…。


まぁ、好きにならなくてもいいけど、傑作とよばれているものの、

読まなければ自分の評価は下せないので、

まず読んでみるっていいんじゃないかなぁと思います。


白山夜がそんな機会になればうれしいです。

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の回ももうけてみたくなりました。

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12/9(水)の参加者募集中です。お申し込みはこちら

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2015年

11月

11日

第38回 辻村深月「仁志野町の泥棒」

11/11(ポッキーの日!)に開催した第38回は、辻村深月の「仁志野町の泥棒」を読みました。


使用したテキストは、新潮文庫から出ている

「日本文学100年の名作第10巻 2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所」です。


この日本文学100年の名作」シリーズ
白山夜でもたびたびお勧めしている短編アンソロジー
ですが、とても良い、です!

年代別に発表された作品が3人の著名人によってセレクトされています。

1巻1巻にその時代の空気が感じられるのが良いし、
何より、どれを手にとってもハズレがないのがすごい!


全編に漂う不穏な空気、

こどもの目に映る大人の世界の不条理さ、

正しさと優しい嘘の狭間で揺れる心、

過去に引き戻されそしてすこしずつあるいはぐっと未来へ進む独特の時間の操り方…。


思い出すとまだとげのように引っ掛かるところがあり、不思議な力のある作品です。


以前、渋谷の「森の図書室」を訪れたとき、

辻村深月の作品は何タイトルも複本で寄贈されており、

店主の森さんも大好きな作家とおっしゃってました。

「辻村深月さんの本はおすすめの読む順番もあるんですよ!」

と熱を込めてお話してらしたのが印象的でした。

残念ながらその順番、うかがえなかったんですが…。

辻村ファンの皆様、おすすめの作品がありましたら、ぜひお聞かせください!


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12/9の回、参加者募集中です。はじめての方もぜひどうぞ。男女比半々、30代が多いです。

お申し込みはこちらから。

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2015年

10月

28日

第37回 エドガー・アラン・ポー「黒猫」

会場に着いたとたん、雨がザーッと降ってきて焦りました。雨女/雨男とか、そんなんあるか!と思ってるわたしですが、白山夜の日の降水確率が高すぎだよね…という気も最近してきました。


この日は珍しく少人数で、主宰者と常連さんと、はじめましての方が二人の、計四人で開催しました。「前々から来たかったんだけど、小さい子どもがいるとなかなか参加できなかった。ようやく時間がとれた」と、参加してくれた女性。

昨年、白山夜とは別に開催した読書会「何を怖れる」の参加者さんのレポートからたどってきてくださった男性。(そのブログ記事>>http://ameblo.jp/lychee-tangerine/entry-11999583502.html

白山夜に出会ってくださってありがとうございます!

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この日は、エドガー・アラン・ポーの「黒猫」を読みました。

これも有名なわりには、ちゃんと読んだことない系の小説ですよね。白山夜ではそのような名作、古典もどんどん発掘していきたいです。


この物語は「信用できない語り手: Unreliable narrator」によるモノローグで進んでいきます。読後は、「どうしちゃったの、この人!」とか「なるほど犯罪に至る心理ってああいうものか」などの感想がわいてきましたが、次第に...自分について、あるいは過去に起こった出来事について語っているものの、彼の視点のみに固定されているので、都合の悪いことは省かれているし、真実は歪められているし、記憶は曖昧だし、幻覚・幻聴の可能性はあるし…で話しているうちにどんどん怖さが増してきました。


狂気に向かっていく中でも、語り手は実に冷静に自分を分析し、文学の薫り高い語り口で心情を綴っていく。知識も知性も持ち合わせているからこそ、その彼を破滅させた悪のために悪を成したい欲求とはいったいなんなのか?それに近いものってギャンブル?他にはなにかあるか?などの話も盛り上がりました。


「コントロールしたい欲求」についても話題にのぼりました。弱いものを征服する(他傷)ことでその欲求を満たすのか、自分を貶め虐める(自傷)ことで満たすのかは、紙一重ではないか。結局この人は自分が嫌いなのではないか、自分のコントロールの構図に入ってこない猫に対して、畏怖と恐怖の両面から憎しみをもったのではないか。などなどの感想もありました。


ご参加ありがとうございました!


次回は11/11水、ポッキーの日です。ご参加お待ちしております!

◎詳細・申込はこちらから


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